インディーズ・ポップスユニットm7のプロデューサーMarkのblogです

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松本vs槇原裁判

Excite 芸能ニュース : 槙原さんと松本さん対立 歌詞、無断使用か自作か

とうとう裁判まで来てしまったんだね。
この件単なる著作権侵害云々という話よりも根が深い、「作家プライドの掛け違い」みたいな側面があるのではないかと思う。以下、勝手に推測するので極めて私的な分析である、と思っていただきたい。

松本零士氏は「日本漫画家協会 常任理事」であり、著作権部の責任者である。公式ホームページにこそ書いていないが、日本漫画家協会の設立趣旨の中に「漫画家の地位向上」があったことは間違いないと思う。今でこそ日本が誇る文化として世界的にも認められる漫画だが、昔は出版界においては文芸から一段低いものとして見られていたことは間違いない。僕の友達に長年漫画編集者をやっている男がいるのだが、「文芸よりも全然稼いでいるのに、バカにされるんだよねぇ」とよくグチっていた。
松本零士氏はその漫画協会の常任理事という立場である、ということを忘れてはいけない。彼は50年の作家活動の間、常に漫画・及び漫画家の地位向上の為に闘ってきたのであろう。自身が成功した今ではその漫画界に少しでも恩返しをしようというモチベーションが高いのだと思われる。一言で簡単に言えば、「漫画家をバカにするな!」というメンタリティだろう。
だが、今日び誰も漫画家をバカになどしていないのである。今ではドラマ化・映画化原作、ハリウッドからもオファーがかかる大作家先生の集団なのである。完全にエスタブリッシュメントのしかもエライ人になってしまったという自覚に欠けていたのではあるまいか?

一方、槇原敬之氏は、J-POPの中では数少ない作家性の高いアーティストだと思う。だが、音楽業界はCDバブル期の商業主義全盛時代に、あまりにも産業的に楽曲を粗製濫造してしまったため、業界全体ではかなりパクリが横行している。特にアレンジの部分に洋楽からちゃっかりいただいちゃっているものが数多く見受けられる。
昔は「歌謡曲」と呼ばれるフィールドがあって、そこへの対立軸としてフォーク、ロック、ニューミュージックという音楽が出てきた。対立軸というのは精神的にもちゃんと対立していたのだ。反歌謡曲のアーティスト達はシンガー・ソングライターに代表される「作家性」にこだわった。
ところが、CD時代になって音楽界は「演歌」と「J-POP」に二分されるようになってしまった。歌謡曲のフィールドから大挙してアイドルシーンがJ-POPの中に引っ越してきてしまい、アーティストと並列に並ぶようになってしまった。
シンガー・ソングライターである槇原氏はこのような業界の状況に不満を持っているに違いない。産業化したJ-POPの中で「作家性」にこだわっているからこそ、このような件には決して屈することができないのだ、という思いがあるのだろう。

著作権侵害自体あったのかなかったのかは別として、シンガー・ソングライターと漫画家という「作家性」のプライドの対立、さらには漫画界と音楽業界が抱える特殊事情が今回の件をここまでこじれさせてしまったのではないかと思うのだが、どうだろうか?

何度も言うがこれは僕の勝手な推測である。
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by kenpapa9 | 2008-07-08 01:35 | 音楽・カルチャー全般

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